2008年秋 横浜のアートイベントリスト


2008年9月13日(土)、ついに横浜トリエンナーレ2008が開幕しました。初日から多くの人が会場を訪れていましたが、横浜のアートシーンを沸かせるのはトリエンナーレだけではありません。横浜ではこれから11月30日(日)までのトリエンナーレの会期にあわせ、様々なアート関連のイベントが企画されています。横浜のアートイベントがあり過ぎてよく分からない!そんなイベントや展覧会などについてまとめました。

(引用文は各イベント・企画の関連ホームページより)



横浜トリエンナーレ2008
・2008年9月13日(土)-11月30日(日)
新港ピア、日本郵船海岸通倉庫 (BankART Studio NYK)、横浜赤レンガ倉庫1号館、他
2001年に始まった現代美術の国際展「横浜トリエンナーレ」の第3回展。総合ディレクターの掲げるテーマに基づき、世界各地より60〜70名程度の作家を選定し、多様な作品 (映像、インスタレーション、写真、絵画、彫刻等) を展示します。世界最先端の現代美術の紹介に努め、新作を中心に展観する一方、開催地・開催場所の魅力や個性を生かした作品 (サイトスペシフィック・ワーク) も数多く含めることによって、街を取り込んだ大規模な「現代アートの祭典」といたします。



黄金町バザール
・2008年9月11日(木)-11月30日(日)
・京浜急行「日ノ出町駅」と「黄金町駅」の間の高架下新設スタジオ、大岡川、駅、周辺店舗、他
かつて違法な特殊飲食店が軒を連ねていた横浜市黄金町に2つのアートスタジオが新しく誕生します。これらのスタジオをメイン会場とし、「黄金町バザール」が開催されます。
黄金町バザールは、地域とアートの共存を通して街並が新しく生まれ変わることをめざす事業であり、その最初の一歩として位置づけられます。今回はアートという枠にあえてこだわらず、衣食住にわたる新しい経済活動を導入しながら、街の在り方を見直すアイデア、イベントなど多彩な分野を取り入れて全体を構成しています。それらすべてが一体となって、豊かな経験が生まれる場所を作り出すこと、多くの来訪者を心から歓迎できるまちづくりと会期終了後も持続可能な事業展開を目指します。



BankART LifeⅡ
・2008年9月13日(土)-11月30日(日)
・BankART 1929 Yokohama、BankART Studio NYK、他
BankART1929では、横浜トリエンナーレ2008開催期間中、「BankART LifeII」と称して、これまで行ってきた主催事業を総合的に駆使し、公的建物、歴史的建造物、産業遺構、飲食店や商店、空き地、空店舗等と協働し、街に全面的に展開していくプログラムを推進します。共通しているコンセプトは「ひらくこと・つなぐこと」。開催エリアは、横トリ開催地区と黄金町バザール開催地区をつなぐ地域、すなわち新港・馬車道~伊勢佐木町1~7丁目ラインと大岡川沿いの桜木町・野毛地区・日ノ出町・黄金町ラインにはさまれる全域。また ZAIM等、日本大通りの創造界隈の諸施設とも積極的にリンクしていきます。国際的な美術の祭典と、横浜の街を楽しんでいただければと思います。

こちらの"BankART LifeⅡ"は横浜の様々な地域で同時多発的に行われるいくつかのイベントから成ります。

Landmark Project IV
都市の中で眠っている未知なる空間を開いていくプロジェクトの第四弾

心ある機械たち(Landmark Project IV、BankART LifeⅡ)
・2008年9月13日(土)‐11月30日[日]※11月2日は休館。10:00‐19:00
・BankART 1929 Yokohama、ぴおシティB2ギャラリー
1929年生まれの元銀行建築の普段公開していない機械室などあらゆる場所を開いていく「運動」をテーマにした展覧会。アキバ、ブログ、携帯電話の進化で IT機器と人間との関係がひとつの臨界点にきていることは確かだ。ここに集められた「機械」や「運動」は一見するとコンピュータとはほど遠い「無用」で「でくのぼう」だが、「不確かさの内に含む確かさ」に向かう意志とポテンシャルが秘められている。


ルーフトップパラダイス(Landmark Project IV、BankART LifeⅡ)
・2008年9月13日(土)-11月30日(日)[1]9:15‐9:50 [2]18:15‐19:15
・BankART Studio NYK(公開は完全予約制)、BankART 1929 Yokohama、BankARTかもめ荘、他
ガウディのグエル公園がそうであるように屋上は都市の中で新しく誕生した空にとどく唯一の大地。創造界隈の建物群の屋上を開きネットワーク化していく。みかんぐみがコーディネートするNYK屋上では野菜を育て小屋を増殖していくプロジェクトを行う。パフォーマンス系では、同時多発的に開催される音楽やダンスイベントをヘリが追跡する。


Open!パブリックスペース(Landmark Project IV、BankART LifeⅡ)
・9月12日(金)‐11月28日(金)(土日祭除く)8:45‐17:15
・横浜市庁舎、他
公的機関の建物、特に1Fに作品を挿入することで、より開かれた空間に変容していくプロジェクト。特に横浜市庁舎はホールでの松本・丸山・淺井の大規模なインスタレーションの他、会議室、廊下等にもアート作品を挿入。創造事業本部、危機管理室、各執務室にも展示予定。


大野一雄フェスティバル2008(BankART LifeⅡ)
・2008年9月28日(日)‐10月25日(土) 原則19:30スタート ※10月25日はクロージングパーティーあり
・大岡川弁天橋、伊勢佐木町・馬車道周辺、BankART Studio NYK
今年102歳になる舞踏家大野一雄の名を冠した身体表現の祭典。大岡川をふくめ、広く街中で展開。
台船を舞台にするフロートシアター、移動式客席があらゆる場所を「劇場」に転化するDoCodeMoシステム等、様々のアイデアを駆使して街に出る。タイで大衆的人気を誇る舞踊劇リケイが水上フロートで本邦初上演する。ひとつの公演が異なる風景と繋がりながら、人の記憶にも繋がっていく。街と作品世界を同時体験する複合的なフェスティバル。


食と現代美術part5(BankART LifeⅡ)
食の中に潜むアート、アートの中に現れる食のイコンを往来するプロジェクト

BankART Mini Kitchen(食と現代美術part5、BankART LifeⅡ)
・2008年9月13日(土)‐11月30日(日) Cafe Time10:00‐18:00 Pub Time18:00‐23:00
・BankART Pub
これまで『食と現代美術』で協働してきた食関連のクリエイターや周辺の飲食店舗が、新設のキッチンで週替わりにオリジナルメニューとミニトークを披露。建築家やアーティストによるカレーストーリー、馬車道~黄金町界隈の飲食店の商品を注文できるミニ市場等、楽しく総合的に横浜の食文化とアートを紹介。



三田村光土里@ヨコハマ
・2008年9月13日(土)‐11月30日(日)10:00-19:00
・創造空間9001・旧東横線桜木町駅舎
三田村光土里は、写真や映像を主な素材に、記憶やコミュニケーションをテーマに作品を発表している作家です。
近年では、国内のみならず、ヨーロッパ各地でも個展やグループ展で積極的に作品を発表し、高い評価を得ています。
今回、三田村は、創造空間9001において、近年積極的に取り組んでいる公開制作型プロジェクト「Art&Breakfast」を発展させた新たなプロジェクトと、新作を組み合わせた展示を行う予定です。会期中は、三田村も実際に創造空間9001のスペースを訪れ、自身の作品制作を行いながらのワークショップやイベントなども開催する予定です。



フライング・ダッチマン・プロジェクト'08
・2008年9月12日(金)-9月15日(月)10:00-22:00
・横浜みなとみらい21中央地区34番街 横浜美術館正面
「引き返せ」という神の申告を無視し、喜望峰付近で遭難したオランダ船「フライング・ダッチマン号」は、神の罰を受け、オランダ人船長一人を残し幽霊船となって、いまだに海をさまよい続けているという説話があります。このオランダ人船長には唯一救われる道があり、それは7年に一度陸に上がったとき、彼に永遠の愛をささげる女性と出会えれば救われるというものです。



『THE SEEDS TRIP』-「種は船」造船プロジェクト
・2008年8月14日(木)-11月30日(日)(8月中は毎日、9月以降は土日祝日のみ)9:30-17:00
・山下ふ頭
2008年夏!山下ふ頭に、アーティスト“日比野克彦”氏による、「種は船」造船所が出現! 
この横浜トリエンナーレ2008の同時開催周辺イベントであり、来年迎える横浜開港150周年記念に向けてのプレイベントとして、山下ふ頭で横浜市が主催し、行われます。

→関連記事:【レポート】日比野克彦さんによる段ボール船 造船所


THE ECHO
・2008年9月13日(土)-10月5日(日) 11:00-19:00
・ZAIM別館3F-4F
池に落とした石が波をつくり、波紋を広げて行くように。作家が発起人となりはじまったこの企画が、20数名の志を共にする作家の表現と共に共振をよびおこし、それがまた人を動かしていくような、そういうものになっていってほしい。
そういう想いをこめて『THE ECHO』という企画は生まれました。今の日本を生きる我々が何を考え、そして何を伝えていくのか、そのことについて真摯に考え、表現していくことこそが我々の態度です。ぜひ今ここに立ち会ってほしい。
そしてここからはじめていきましょう。現代日本のアートに対する議論と挑戦を!



Dislocate08
・2008年9月6日(土)-9月21日(日)10:00-20:00
・ZAIM
Dislocate は様々な分野の視点から、アートとテクノロジー、地域性の在り方について考察することを目的としたプロジェクトです。2008年の8月30日から9月21日にかけて、日本、ヨーロッパ、アメリカ、そしてアジア諸国から専門家が集い、作品の展示やシンポジウム、ワークショップの開催を通じて、空間や場所に対する意識やテクノロジーの進歩が私達の意識をどのように広げ、どのような変化をもたらすかについて積極的な問いかけを行います。



横浜アートサイト2008
・2008年7月21日(月)-11月3日(月)
・横浜 海の公園、横浜動物の森公園予定地、他
自分たちの住む町を、アートで楽しくしよう! 今、そんな動きが、横浜の各地で広がっています。アートの舞台は、たとえば森や海辺、そしてすてきな街並み…。ガイドブックには載っていない、横浜の宝物です。

「横浜アートサイト2008」は青葉区の住宅街・商店街で行われる『AOBA+ART』ほか、様々な企画を発信しています。下記にその一部を紹介します。

AOBA+ART(横浜アートサイト2008)
・2008年9月21日(日)-2008年10月13日(月) 9:00-18:00
・横浜市青葉区たまプラーザ商店街・美しが丘2丁目、3丁目 アートフォーラムあざみ野 青葉台商店街
横浜・たまプラーザの商店街をはじめ、商店街・住宅街などにアートが現れるイベントのようです。


さかえdeつながるアート in 上郷・森の家(横浜アートサイト2008)
・2008年11月1日(土)-3日(月)(メインイベント)
・上郷・森の家(栄区)(メインイベント)
栄区を中心に、地域の特性を生かし、人と自然を大切にし、さまざまな人が、ひとりひとりのちがいを楽しみながら、アートを通してつながるイベントです。



港町往来ワンダララ計画09 プレイベント「響き合う始まり」
・2008年10月7日(火)-10月19日(日)
・ZAIM CAFE ANNEX
港町往来ワンダララ計画09は、横浜が開港150周年を迎える2009年10月に、世界の港出身のアーティストを招待し、国内のアーティストとの協奏による横浜港湾地区全体をアートのステージにするプロジェクトです。
2008年10月、このプレイベントを開催します。「港町」「移民」「近代から未来へ」などをテーマに、観客との対話を重視した参加型。今回のプロジェクトのエッセンスを凝縮した作品展示、ワークショップ、パフォーマンス、トークなどを展開します。近代の夜明け以来、さまざまな思想や価値観、生活が出会い、交錯してきた場、横浜。この歴史と現在から、国境を越えて参集したアーティストたちが何を感じ取り、来年に向けて何を志向していくのか。リサーチの第一弾を受け取ってください。



横浜では、ここで紹介したアートイベントのほかにも様々なイベントが目白押しです。これらの横浜のイベントを紹介するメディアも多数、公開・出版されていますので、一部を紹介します。
  • 「美術手帳 アートシティヨコハマ ガイドブック(2008年10月号増刊)」(美術出版社)
次の2つは、横浜をはじめとしたアート関連スペースで無料で入手可能なものです。
  • 「アート&カルチャー ヨコハママップ'08 秋 特別号」(アーツコミッション・ヨコハマ)


[ posted by ida-10 ]