ヨコハマ路地博’08,イセブラ・ナイト,フランス月間

今月行われるイベントをいくつか紹介します.

ヨコハマ路地博'08(6/22, @創造空間9001)


今回取り上げるものの中で一番,どんなイベントになるのか予想がつかず,興味を惹かれるのがこのイベントです.まず,その概要を引用してみます.
Speakers vibes(ウェアブランド)、flicker(雑誌)、mm films(BMX映像)というジャンルの異なる3団体の新作発表/販売を中心に行われる合同展示会。3団体のブース以外にも、普段親交/つながりのある ARTISTやSHOP、EVENTなどの出展ブースも設置されるので、ヨコハマを中心に活動する動きやつながりが目に見え、少なくともひとつは、新しい情報や出会いを持ち帰ることが出来るでしょう。また、当日はBMX DVD『on the low』の上映、DVD出演ライダーによるショーケース、ゆかりあるDJ/アーティストによるパフォーマンス、ライブペインティングなど、見所満載です!

横浜を拠点として,様々なジャンルでインディペンデントな活動をしている人達による,草の根的な合同イベントって感じでしょうか.活動紹介,制作しているものの発表・販売もあれば,音楽イベントやアートイベント的な要素もある.
私がこのイベント情報を知ったのは,参加される団体の一つflickerが数年前まで出していた,音楽や様々なオルナティブな文化的実践・活動を取り上げた,横浜発の横浜という場所を意識したフリーペーパー(団体名がタイトルとなっていた)を愛読していて,その後の情報も追っていたことからでした.このフリーペーパーが始まった2003年は,横浜でbankartなどの,街や都市を意識した文化・芸術系の活動が始まるよりも前で,その頃横浜に対して興味を持ちだしていた自分にとって,まず注目させられた活動が,このフリーペーパーの出版でした.そういうこともあって,その後のbankartやzaimなどを拠点とする活動の広がりに可能性や刺激を感じつつも,flickerのような活動と,bankartなどの活動がどこかの時点で接点をもたなければ,bankartというか横浜市による文化芸術振興・創造都市系の活動は,どこか変というか偏ったところがあるのではという考えを,これはなんというか一つの思い込みのようなものとして,抱いてきました(もちろん,市の流れなんかとは別に,それこそインディペンデントなかたちに,様々な活動があるのも一つの理想なんでしょうが).今回の会場は,廃止された東横線桜木町駅駅舎を転用したスペースで,創造都市政策の流れの中で整備された場所なので,先に書いた意味で「接点」をもったのかな,と思うところがあったわけです.flickerは今回のイベントで,「フリーペーパー時の「flicker」とは違った形の紙媒体「POST IT!」を始動」するとのことです.
こんな風なかたちに,参加される団体の活動の中に,一つでも興味を持てるものがあれば,とりえあずそれを目当てに(このイベントという「路地」に)立ち寄ってみる,で,もしかしたら他にも楽しめるものに,出くわすかもしれない,ぐらい感覚でフラッと参加するのもいいのかもしれません.イベント詳細や参加団体の紹介については,こちらのオフィシャルサイトで.

ヨコハマ路地博 '08


イセブラ・ナイト(6/26, @ザキ座)


急な坂スタジオのマンスリーアートカフェのvol.19として,「伊勢佐木カルチャーを巡る、イセブラ・ナイト」が開催されます.街歩きも行われるそうですが,その出発点となるのが「ザキ座」.伊勢佐木町の商店街=イセザキモールはとても(長さが)長いのですが,関内側の入り口から入って,有隣堂本店とか不二家とかを横目に歩いていけば,一度道路とぶつかります.そこを渡るとまたモールが続くのですが,ここから黄金町付近の終点まで(モールの全長の2/3ぐらい)と,大岡川に挟まれた地域(若葉町や末吉町)では再活性化活動が行われいて,その拠点となっているのが「ザキ座」です(住所は若葉町, 地図).伊勢佐木町はもともと「日本有数の映画館街・繁華街」だったわけで,そういう歴史を踏まえながらの再活性化が図られているようです.以下,イベントの概要を引用します.
今回のマンスリーカフェは、新たな活動拠点「ザキ座」を出発点に、実際に周辺を歩くフィールドワークも織り交ぜたトーク・ナイト。ゲストは、伊勢佐木を舞台にしたドキュメンタリー映画「ヨコハマメリー」の監督・中村高寛氏と、横浜にぎわい座の企画コーディネーター・布目英一氏。伊勢佐木カルチャーの過去と現在を知り尽くした二人に導かれながら、演劇・映画の劇場都市への再生に向けた様々なアイディアが交錯する一夜となるでしょう。

出演者のプロフィールやイベントの詳細についてはこちらから(予約が必要なようです).また,ザキ座についてはこちらにスタッフの方のblogがあります.


ザキ座



※これより下の三件は,横浜フランス月間の関連イベントです.横浜では,2005年から6月がフランス月間に指定されて,様々なイベントが行われています.もともとは,1993年からフランス映画祭が同じ月に横浜で開催されていたが,こちらは2005年を最後に他所に移ったそう(参考).そういう中でも,いくつかはある映画関連のイベント(上映会)二件と,都市をテーマにしたアートの展覧会のイベントを紹介.

ストローブ=ユイレ『セザンヌ/ルーヴル美術館訪問』上映会(6/18, @慶應義塾大学・日吉キャンパス)


情報が掲載されている個別ページがないので以下全文引用しておきます(こちらより).
教養のための連続映画上映会2008:ストローブ=ユイレ『セザンヌ/ルーヴル美術館訪問』
主催: 慶應義塾大学表象文化論研究会
日時: 6月18日(水) 18:15~20:30
会場: 慶應義塾大学 日吉キャンパス
来往舎シンポジウムスペース 地図
交通アクセス: 「日吉駅」下車(徒歩1分)
料金: 無料
TEL: 問い合わせはメールにて:kei-s@df7.so-net.ne.jp

慶應義塾大学表象文化論研究会では、毎年、日吉キャンパスにて映画上映会ならびに映画監督を招いてのシンポジウムを開催しています。2008年度は、映画とアート、そして映画と戦争をめぐる上映会を企画。6月の横浜フランス月間に際して、現代映画を代表するジャン=マリー・ストローブとダニエール・ユイレがセザンヌに注視した『セザンヌ/ルーヴル美術館訪問』をDVD上映する予定です(『セザンヌ』については部分上映予定)。
ルーヴル美術館を訪れた画家セザンヌがなにを見て、なにを考えたのか、ジョアシャン・ギャスケの著書『セザンヌ』を参照ポイントとして描出しようとしたストローブ=ユイレ。絵画をめぐる稀有な映像体験をお楽しみください。なお、上映の前後に、作品についてのレクチャーを行います。


もうひとつのフランス映画(6/20, @東京芸術大学馬車道校舎)


イベントの概要は以下の通りです(詳細はこちらで).ちなみに,結構コンスタントに行われているらしい,横浜日仏学院が関係する映画の上映会については,はがきサイズの告知のちらしを,bankartやzaimなどのスペースで見かけることが多いです.このイベントもそうですが,横浜日仏学院と近距離にある馬車道の芸大院映像科との連携も行われている模様.
新企画「もうひとつのフランス映画」   
主催: 横浜日仏学院
日時: 6月20日(金) 19:00
会場: 東京芸術大学馬車道校舎 地図
交通アクセス: みなとみらい線「馬車道駅」 下車すぐ
料金: 会員600円、一般1,200円(芸大生無料)
TEL: 045-201-1514

講師:スティーヴン・サラザン(逐次通訳付)

ヌーヴェル・ヴァーグの影に隠れてしまった、仏国民が愛し、トリュフォー等の監督たちも愛した、これまで語られることの少なかった「もうひとつのフランス映画」をご紹介します。

『ファントマ:危機脱出』 FANTÔMAS
(フランス/1964年/105分/DVD/カラー/日本語字幕)
監督:アンドレ・ユヌベル
出演:ルイ・ド・フェネス、ジャン・マレー、ほか怪盗ファントマとパリ警視庁のジューヴ警官とのポップで愉快な作品。


bashamichi


「感性のメタモルフォーズ―私のなかの都市」展・ラウンドテーブル(6/22, @横浜市民ギャラリーあざみ野


開催中の展覧会の参加アーティストに加え,建築家,批評家が登場するラウンドテーブル.「都市環境をテーマに、分野を超えた議論を展開」.出演者は以下の通り.
・モデレーター:金子文子(CIEL ROUGE CREATION代表/アーティスト)
・ゲスト:ヴィルジニー・ラヴェ(本展参加アーティスト),アンリ・ゲイダン(建築家),石上純也(建築家),港千尋(美術家/著述家)

本展覧会+イベントについての詳細はこちら


[ posted by jun ]