【写真レポート】横浜・三つのホテル計画

先日の記事「横浜「ホテル戦争」? 横浜のホテル事情」で,横浜に三つの高級ホテルが進出してくること,また横浜都心部に立地する,既存のホテルの分布やその種類についてお伝えしました.今回の記事では,新たに進出する三つのホテルが(あるいはホテルが入る建物が)計画されている場所のについて,写真でレポートしてみます.同じように高級ホテルといっても,それぞれが立地する場所は,その性質も現状もかなり異なるようです.(高級)ホテルだなんて,「ホテル戦争」だなんて知んねーぞ,って人も是非どうぞ.

パークハイアット横浜(北仲通北地区)


「パークハイアット横浜」は,森ビルによる再開発ということで話題になってきた,北仲通北地区(A地区)に建設される超高層タワー(高さ200m,地上50階)に入るということです.北仲通北地区の再開発には,大和(だいわ)地所も関わっていますが,この超高層タワーは森ビルが担当する旧帝蚕倉庫の敷地内,A-4地区に位置します.ホテル以外の用途は,集合住宅・事務所・商業施設・専修学校,となるそうです.完成予想図はこちらのpdfで見られます(少し古い情報なので現在の計画とは異なる点があるかもしれません).現在,現地では,既存の旧帝蚕倉庫の建物(歴史的建造物を含み,一部は保存活用される)の解体が終盤に入っています.

北仲通北地区(A地区)再開発

北仲080602a

北仲


※参考:北仲通・帝蚕倉庫の解体前の様子,解体のプロセスはこちらでレポート中.


W Yokohama(みなとみらい21新港地区4街区, 赤れんがパーク向かい)


先の北仲通は写真でも分かるように,関内の中でも海側に位置します.そこから海岸通を経て,万国橋を渡ると新港地区になります.「W Yokohama」が計画されているのは,その新港地区の奥,海に面した区画です.その先には,先日その建設の模様をお伝えした新港ピアや,海上保安庁の施設があります.このホテルは,今回取り上げる他の二つが高層ビルの中に入るという計画であるのとは違って,ホテルがメインとなる開発として,地上八階の低層の建物(用途:ホテル・店舗)として建てられるそうです.完成予想図はこちら(pdf, p.19),開発に関するリリースはこちらで見ることができます.現地の現状は,ある意味みなとみらいや新港地区を構成する典型的な風景の型の一つとなってきた,開発・計画や工事の開始を待つ更地の状態です.何年前からこの状態なのかは分かりませんが,以前は新港地区ですからもちろん港湾関連の施設があったのでしょう.


新港地区4街区 [1]
奥の白いフェンスで囲まれている部分が敷地

新港地区4街区 [4]
左に見えるのが新港ピア

新港地区4街区 [3]
赤レンガ倉庫が見える

新港地区4街区 [2]
みなとみらい方面を臨む


ホテルニューオータニ(みなとみらい21地区28街区, JR桜木町駅前)


さて,最後の「ホテルニューオータニ」が入るのが,桜木町駅とみなとみらい地区を繋ぐ動く歩道とJRの高架の間に広がる敷地に現在建設されている,19階建ての建物(用途:店舗・シネマコンプレックス・ホテル・フィットネスクラブ・オフィス).こちらで完成予想図が見られますが,高さよりもゆるやかな曲線を描く横への広がりが特徴的な建物が,現地では既にその姿を見せ始めています(動く歩道の脇からダイナミックな工事現場をじっくり見ることができます).この場所は,他の二つの場所に比べて,現時点での人通りが抜群に多いところです.そのことが,ホテル(高級ホテル)にとってどう働くのかは分かりませんが,上にホテルがあることなんて知らずに商業施設やシネコンを利用する多くの人々のことは容易に想像できます.


みなとみらい 28街区 [1]
桜木町駅から動く歩道までの広場の部分から見上げる

みなとみらい 28街区 [3]
動く歩道側から

みなとみらい 28街区 [4]

みなとみらい 28街区 [5]
桜木町駅とみなとみらいの間の大きな道路を渡った辺りから.左に行くと北仲の再開発地区に出る.

みなとみらい 28街区 [6]
汽車道から

みなとみらい 28街区 [2]
再び動く歩道側から


この写真のみ,2005年8月の撮影.この草ボウボウな部分が今回の敷地


三つの場所を訪れてみて


以上,三つの場所について簡単にレポートしてみました.新港地区の物件についての記述の中で,空き地状態を,みなとみらい・新港地区の風景を構成する型の一つと書きました.みなとみらいや新港地区では,そういう空き地を横目にしながら目的の場所へと歩いていく,という体験を多くの人がしていると思います.三つ目に取り上げた,工事が始まっている桜木町の敷地にしても,一時的にマンションギャラリーのような仮設の施設が建った時もありましたが,基本的には長い間空き地でした.毎日毎日膨大な数通り過ぎていく歩行者の中に,あそこにあんな建物が建つことになるとを想像していた人はどれくらいたでしょうか.それでも,みなとみらいの開発が始まった時から,あの区画は商業ゾーンと指定されていて,いつかは開発が行われる土地として存在してきたのです.当時のマスタープランを見れば,ちゃんとあの敷地に建物の絵が描かれている(もちろん今建ち上がりつつある建物とは似ても似つかないポンチ絵ですが).そして,10年が経ち,20年が経とうとしている現在,というわけ.横浜博(1989年)の写真を見ると,この桜木町駅前の敷地は,この時も空き地だったのです.前にそこに何があったのか分からないような状態になってからもう結構な時間が経った.対して,一つ目に取り上げた北仲の件に関しては,今まさに更地状態をつくるために,元々あったモノが解体されていっているので,新しい建物が建てられるというプロセスがまた違った形で見えてきます(といっても,北仲に関しても計画が持ち上がってから何年も経ってはいます).今回載せた写真を一度に見られるスライドショーも用意したので,工事中・解体中・更地,という都市の三つのコンディションを意識しながらもう一度眺めてもらえばと思います=スライドショー

(※ところで,ホテルの話しはどこに行ったのか? 以下,補足的テキストを少しだけ:私がホテル・高級ホテルに馴染みがないから,そこまで話しがたどり着かなかったということもあります.が,この記事を執筆するにあたって現地を訪れてみても,新港地区に位置するもの以外の二件は特に,そこにホテルが進出するということを,リアリティを持って捉えられなかったというのが正直なところです.ホテルというものが都市を構成するものの一つであることは確かですし,都市をかたちづくるにあたって,このようにホテルというものが組み入れられているわけなんですが,この組み入れるという感じがくせものに感じます.つまり,複合的な建物の一要素として,その高層部にホテルが組み込まれる,というようなかたちで,それが横浜に「高級ホテルが進出!」ということになる.もちろん,そのようなホテルを利用する人の視点から書けば,どのような部屋になるのだろうか?とか,どのようなサービスが提供されるのだろうか? というようなことも出てくるのでしょう.または,どのようなお客さんが来るようになる? とか,そのお客さんが周囲のどういう場所に行くだろうか?とか考えることもできるのでしょう.しかし同時に,都市の中に何か新しいものができるということを捉える時,それを直接利用しない人にもどういうインパクト・影響・景色を与えるだろうか考えてみる,というのも一つの方法だと思います.このような視点からでは,今回の件はどんな風に捉えられるでしょうか? 横浜にある,それぞれオープンした時代の違う,他のホテルはどうでしょうか?).


[ posted by jun ]