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【レポート】日比野克彦さんによる段ボール船 造船所

山下ふ頭に段ボール船の造船所が現れました。

この「造船所」は、アーティストの日比野克彦さんの監修の下に行われている『THE SEEDS TRIP』「種は船」造船プロジェクトによるものです。このプロジェクトは9月13日(土)から行われる横浜トリエンナーレ2008の同時開催周辺イベントのひとつで、会場となった山下ふ頭(8号物揚場)では、9月現在、土日祝日に行われるワークショップにてボランティアスタッフの手による段ボール船造りが行われています。


日比野克彦さんは、段ボール箱3,500個積み上げたタワーなど、これまでにも段ボールを使った多くの作品を生み出してきました。今回造られる段ボール船は、実際に海に浮かべ、数人が乗ることができるようになるようです。
「種は船」造船プロジェクトについて、YOU TUBEに日比野克彦さんからのメッセージがアップされています。

『THE SEEDS TRIP』-「種は船」造船プロジェクト


製作中。骨組みの上に段ボールが貼りつけられている。


9月現在、土日祝日(活動が可能な日のみ)に活動が行われています。ボランティアによる製作だけでなく、一般の見学も可能です。(2008年11月30日(日)まで)

・関連情報:
ハマっち!コミュニティ「THE SEEDS TRIP」-「種は船」プロジェクト-
プロジェクトの詳細はこちらから。
造船所日記
ワークショップの様子が綴られています。


[ posted by ida-10 ]

【レポート】寿町「ヨコハマホステルビレッジ」

横浜・中華街の最寄駅のひとつ、JR石川町駅。ここから少し歩くと、中華街とも異なった見慣れない光景が広がってきます。寿町とその周辺の扇町、松影町を含む寿地区には、横浜港の港湾労働などに携わる日雇労働者の受け皿として多くの簡易宿泊所、いわゆる「ドヤ」が建ち並び、ドヤ街を形成。寿町は日本の「三大ドヤ街」の一つといわれています。そのように称されてきた寿町ですが、日雇労働市場として横浜の、また日本の戦後の発展を支えてきたのも確かなのでしょう。
しかし、この労働者の街にも変化が訪れました。2005年の「横浜トリエンナーレ2005」の連動企画「BankART Life」展に出展された映像”KOTOBUKI”の冒頭では次のように語られています。


横浜寿町。
日雇い労働者の町、
高齢化の町。
何も生み出せない町。

みなとみらいが横浜の光であるならば、
ここは横浜の発展を足元から支えた、
影の部分だ。

この町は誤解されている。
かつての暴力と犯罪で塗りたくられた光景は、
すでに老朽化し、
いまでは高齢化と介護という言葉を筆頭に、
町は生産性を失い、
ただ朽ち果てるのを待つように人々が生活している。
(岡部友彦 他 「KOTOBUKI」2005年, BaknART1929)

新聞では次のように取り上げられています。
寿町は今や「福祉の街」だ。住人6500人のうち半分が60歳以上で、8割が生活保護という。(中略)家族に置き去りにされたり、アパートの大家にタクシーで連れてこられ、放置された高齢者もいる。これなど現代の"うば捨て"ともいえる。
(原田勝広「変わりゆく労働者の街 横浜・寿に住んでみる」『日本経済新聞』, 2008年7月10日夕刊)

同地区のこうした状況からの再生とイメージの払拭を図るプロジェクトのひとつに、コトラボ合同会社が手がける「ヨコハマホステルビレッジ」があります。このプロジェクトでは、寿地区の簡易宿泊所の2割にあたる約1600室が空き室となっていたことに目を付けました。それらの空き室をバックパッカーたちツーリスト用のゲストハウスに変えて街にツーリストを呼び込むことで、新たな雇用の創出、多世代・多人種との交流等を生み出し、街の再生を図るというものです。2005年に始まったこのプロジェクトは今年で3年を迎え、7月には新たに「ホステル水明荘」を改装オープンしました。
街の再生や活性化を図るプロジェクトは、NPOや自治体によるものも含め、寿町に限らず全国津々浦々で行われていますが、これらの活動はそのスタートこそニュースとして注目されるものの、その後の経過や持続性については不透明であるものが少なくないように思われます。街に関わるということについては、そうした継続性にも着目し、検証されるべきものではないでしょうか。
今回のホステル水明荘の改装オープンは、3年を経過するプロジェクトが地に根付いたことや、活動の持続性を示しているように思われます。今回は、まずそれらの寿町のホステルに泊まり、3年を迎えたこのプロジェクトや街の姿について、宿泊者として紹介します。

■ヨコハマホステルビレッジ・フロント
「ヨコハマホステルビレッジ」は4つのゲストハウスから成りますが、それらのゲストハウスへのチェックインの手続きは1つのフロントで行われます。ネットや電話で泊まりたい部屋を予約し、当日にここで料金を支払いチェックインすれば手続きは完了。ゲストハウスまでの行き方や使い方もここで教えてくれます。インターネットや旅の情報収集もここで可能です。また、ここでは英会話教室や誕生パーティーなど様々なイベントが行われており、訪れた当日にはフロントのプロジェクターを使って建築のプレゼンテーションが行われていました。

富士山の描かれた垂れ看板は倉敷芸術科学大学の学生によるもの

フロントには宿泊者の写真が並べられている


■ホステル林会館
フロントの向かい側にあるのが「ホステル林会館」です。中廊下を挟み、三畳一間の部屋がズラリと並んでいます。



宿泊した1階の部屋は、1畳分の畳のベッド、布団、テレビ、エアコン、ミニ机の置かれたシンプルなもの。壁には手すりが設えてあり、簡易宿泊所が高齢化に対応した造りであることが分かります。



各階には共同キッチンがあり、ここで自炊をすることが可能です。共同のシャワー室は最上階の5階に置かれ、各階を繋ぐ階段の踊り場には本が並べられています。



林会館に泊まるなら、一度屋上まで上がることをおすすめします。屋上ガーデンにはベンチが設けられ、ナス、ニンジン、キュウリ、トウモロコシ…と様々な野菜の植えられた菜園があります。これらの野菜や屋上の設えは、林会館のオーナーをはじめとした様々な人の手によって日々手を加えられています。





■ホステル水明荘
7月にリニューアルオープンしたのがこの「ホステル水明荘」です。宿泊用の6階全室がフローリングのシングルルームで、無線LAN対応。PCが使いやすいようにデスクも設置され、部屋には冷蔵庫も置かれています。トイレ・シャワー・キッチンは共同。エレベーターも設置され、4つのホステルの中で最もこざっぱりとした印象です。



2008年7月現在、エントランスは改装中


■ホステル新栄館



2人用の相部屋があるのがこの新栄館です。写真の部屋の他にダブルベッドの部屋もあります。

■LBフラット
ヨコハマホステルビレッジにはこれらのホステルのほかに、アパートタイプの「LBフラット」があります。このホステルには4泊から宿泊可能です。

■寿町、その街の姿
街には食堂や飲み屋が並び、コインロッカーやコインランドリー、100円以内で飲料を売る自動販売機が多く設置されています。地区を往来する車は無く、おじさんたちがふらふらと歩き、そこかしこで談笑している光景が見られます。そうした中に外国人や20代くらいの若者が見られるのはヨコハマホステルビレッジのお客さんでしょうか。以前の街の姿を目にしたことはありませんが、少しずつ街の雰囲気も変化をみせているのでしょう。ただ、ここで写真を撮るのはNGとのこと。確かに、カメラを取り出せる雰囲気ではありません。



要塞のような姿で一際目立つ「寿町総合労働福祉会館」は昭和49年に建設。ここには公共職業安定所や売店が入り、4階から上は市営住宅となっています。ここの2階にあるのが銭湯「翁湯」。入浴料は430円とこの地区ではちょっと高めの設定といえそうです。

寿町の個人的な印象を語るなら、日本であって日本でないような、東南アジアかどこかの安宿街に迷い込んだような印象を受けました。緩い空気が街全体を覆っているようで、その気楽さが心地良かったのも確かです。このような独特の空気の中に、若い旅行者や外国人バックパッカーが新しい風を吹き込んでいるように思えます。それはともすれば、個性的な街がどこにでもあるような街へと変わる危険性もはらんでいるようにも捉えられますが、既にある簡易宿泊所というインフラを利用し、再開発といったハード主体ではない緩やかな変化のありかたを模索しているように感じられました。こうした変化は、今回取り上げたヨコハマホステルビレッジの活動によるものだけでなく、同地区で取り組まれている様々なプロジェクトが関わりながら実現してきたものでもあります。

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・インタビュー記事
【インタビュー】ヨコハマホステルビレッジ 岡部友彦(前編)
【インタビュー】ヨコハマホステルビレッジ 岡部友彦(後編)
「ヨコハマホステルビレッジ」を推進するコトラボ合同会社の代表 岡部友彦さんへのインタビューを掲載しました。

・関連情報:YOKOHAMA HOSTEL VILLAGE



[ posted by ida-10 ]

【レポート】 福住廉のレクチャー:活動のすすめ

7月19日,ZAIMで,美術評論家の福住廉(ふくずみれん)のレクチャーを聴講した.トリエンナーレ学校第5回として企画されたものだ.受講者の条件はなく(また受講無料で)すべての人に開かれている会だが,広報のされ方や当日の参加者を見るかぎり,横浜トリエンナーレのサポーター(ボランティア)が主な対象となっていたようだ.「市民に何ができるのか?―市民参加と横浜トリエンナーレ」という,テーマの設定もそういうところから出てきたもので,おそらく主催者側から提示されたものなのだろう.というのも,福住さんがレクチャーで語ったのは,テーマで示されている,市民やトリエンナーレ,あるいはサポーター(ボランティア)というような枠組みを,外していくような方向性での話,というか活動に対する鼓舞だったからである.


トリエンナーレ学校というのは,前回2005年のトリエンナーレ開催時(とその準備期間)に同名で開かれていたものから,名前やコンセプトを踏襲しているのだと思う.しかし,今年のトリエンナーレが,その2005年のトリエンナーレとは随分と違ったものになりそうだ,ということを,多くの人はもう意識・認識している.本体のあり方が変化すれば,ボランティアがどのように関われるのか,という活動の中身も異なってくるのは想像がつく.福住さんは,前回のトリエンナーレについて扱った論文「市民芸術論的転回―クリティカルな視点から見た「横浜トリエンナーレ2005」」(*1)において,川俣正によってディレクションされた2005年トリエンナーレの特徴として,「祝祭性」と「市民参加」の2点を挙げている.レクチャーの中では,「市民参加」について,大きな時代の流れに則ったものでもあったと,多少留保を付けながら示されていたようにも感じられたが,それでも(前回のトリエンナーレが)「「市民参加」についてはこれからの新たな国際展のありようを垣間見させることができていた」(前掲論文より)という評価が大きく変わったわけではないだろう.ただ,そのようなあり方がそのまま,今回のトリエンナーレでも実現・出現すると決まっているわけではないのだ(このような直接的な発言がされたわけではないが).

そういう状況の中で改めてどのようなボランティアの活動の可能性があるのかを問う,というような方向へは福住さんの話は進まない,そうではなくて,元々トリエンナーレのボランティアというかたちで,活動をはじめたのだとしても,自身の活動をその枠内,その人間関係の内に押し込めておかず,はみ出していけばいい,という方向へと進む.これを,市民参加の可能性を示したトリエンナーレのボランティアの活動でさえも,1つの出発点でしかないのだ,と受け取ることもできよう.ここらあたりから,トリエンナーレ(とサポーター活動)というローカルな話を離れ,福住さんがどのような「活動」に魅力を感じているのかが伺えるような話へと展開していく.重要なのは,というか福住さんが惹かれるのは,そうやって何かをきっかけに始められた個人の活動が,思わぬ展開を見せる(あるいは思いもしなかった可能性を開いた)時,ということが1つにはあるようだ.その時,活動をしている人にとって,もともとの立場が何であろうと,後には引けない状況が引き起こされていたりする.そのような一連の出来事(の展開)に対してワクワクするというのは多くの人にも共感できるところではないかと思う.そこでの個人は,自分の中でヒットしたものにこだわり,それを実現したり世の中へと広めたりする活動に熱を持って取り組む.動き出す前から,お金の問題(助成をどうしようとか)や人材の問題に悩むこともない.このようにして,美術のエッセンスにしても,文化的なものにしても広げられていくのだろう,というような話が語られた.

福住さんは,具体例として,佐藤修悦/修悦体についての映像を作り,展覧会を企画したトリオフォーの活動について紹介していた(*2).トリオフォーの人(山下さん)が駅で,後に修悦体と呼ばれるようになるものを見かけ,ガツンとやられるところから話は始まる.それは,自分の中でヒットするものを見つけたという段階.そこから,それを作ったのは誰なのかという探索へと動かされる.そして作り手が見つかり,インタビューが試みられる.これだけでも,十分突き動かされているという感じだが,さらに山下さんがやっているお店(古着屋)で,修悦体/佐藤さんを紹介する展覧会まで開催し,多くの来場者が訪れることになる,というところまで展開するのだ.トリオフォーの人は,もともとキュレーターというような職にあったのではない(また佐藤さんもアーティストではない).

福住さんは「市民は何でもできる」と言っていた.これは,レクチャーのテーマにあった問い(「市民に何ができるのか?」)に律儀に答えたものでオマケ(サービス)と捉えてもいいだろう.上に書いてきたような話だけで(自分の場合は)十分鼓舞されてるところはあった.ところで,上では紹介できなかったのだが,「市民に何ができるのか?」という問いの設定中には,専門家に対して(市民は何が?),という部分もあったようで,レクチャーでは,そのように二項対立的に捉えるのではなく,という話の流れを描きつつ,それでも,専門性が完全に否定されるわけではない,とも言われていた.市民は(アートに関する専門性を持たなかったとしても)それぞれのフィールドでの専門性を持つ,ということが示されつつも,やはりアートの専門性というのもそう簡単に否定されるべきでもないという話になっていた.それに関係して,北九州市立美術館で美術の専門教育を受けた学芸員が一人もいなくなるという異常事態が起こっていることが,レクチャーの冒頭近くで紹介されていた.しかし,これは,(常識的に考えても)あまりにもおかしな事態になっているという話で,アートの専門性のどのような部分が,市民参加(市民の活動)で置き換えることはできないのかというような議論へと導かれるような例ではなかった.また,先述の,専門性と市民を二項対立的に捉えるのではなくて様々な活動がでてくればいい,ということに関して,そういう状況の中で重要なものとして(再)浮上してくるのが,批評という基準である,という話があったのだが,これについてももう少し突っ込んだ議論を聞きたかった.というのも,美術評論家である福住さんの専門性は普通に考えると,そのような批評,テキストを書くことにあるわけで,ご自身としてはそれをどのような営為として捉えられているのか気になる(それは素人の人が書く批評―そのことを福住さんは推奨するわけだが―と同じ線上にあるものなのか?とか).ここで言われている,批評とは,学問的技術ではないこと,一般的に想像されるような,詩的な文章をこねくり回したり,難解な現代思想のテキストを参照しているようなテキストとは,また別のものだとは言われていたが,じゃあそれでは・・・のところを聞きたい.批評を書くなら,現代思想への参照はマスト,というのは明かにおかしいが,それではどんなものを読み,それをどのように示す・使う,のか? 福住さんは現在,バンカート・スクールで「アートの綴り方3」という講座を担当されているので,そちらではそういう話も出るのかもしれない(この講座は人気だそうで,残念ながら定員に達しているようだ)(*3).

今回このレポートを書くにあたって,福住さんが書かれているものを探索してみたが,主な執筆メディアは,『美術手帖』や(ウェブサイトの)『artscape』あたりのアート専門メディアのようだ(*4).なんかもったいないなあという気がする.自分がそのテキストに触れる機会がなかったのも納得かなと思ったり.今回のレクチャーを真に受けた者としては,もっと色々な話題が混ざっているメディアで読みたいなあと思うわけだ.そして,本当にホントに真に受けるのなら,読みたいなあと思ったんなら,自分で企画でも立てて,こういうメディアでこういうことについて書いて下さいとか,話聞かせてくださいなどと依頼するとか動いてみろよ,ってことになるのだろう.そういう気にさせられるレクチャーだった.(*5)



*1 福住さんの論文「市民芸術論的転回―クリティカルな視点から見た「横浜トリエンナーレ2005」」は,暮沢剛巳・難波祐子編『ビエンナーレの現在―美術をめぐるコミュニティの可能性』(青弓社,2008)に収録されている.
*2 佐藤修悦・修悦体については,『PingMag』の記事「ガムテープの道案内」を読んでほしい.トリオフォーのサイトはこちら
*3 福住さんのバンカート・スクールでの講座「アートの綴り方3」についてはこちら
*4 福住さんの『美術手帖』での登場号は,こちらの雑誌記事検索で,著者名で検索すれば分かる.『artscape』でのテキストに関しては,こちらあたりからご覧あれ.
*5 今回のレクチャーがその一コマとして企画された,トリエンナーレ学校の,次回第6回(8/9)では,「横トリが面白くなる現代アート入門の入門」と題して山口裕美氏(アートプロデューサー&現代美術ジャーナリスト)のレクチャーが企画されている模様.詳しくはこちらのページから.


[ posted by jun ]

【レポート】創造空間9001で『ヨコハマ路地博'08』開催

6月22日(日)、旧桜木町駅舎「創造空間9001」にて『ヨコハマ路地博'08』が開催されました。その名前からは内容が想像できない『ヨコハマ路地博'08』とはどんなイベントだったのか。今回はその様子をレポートします。


Speakers vibes(ウェアブランド)、flicker(雑誌)、mm films(BMX映像)というジャンルの異なる3団体の新作発表/販売を中心に行われる合同展示会。3団体のブース以外にも、普段親交/つながりのある ARTISTやSHOP、EVENTなどの出展ブースも設置されるので、ヨコハマを中心に活動する動きやつながりが目に見え、少なくともひとつは、新しい情報や出会いを持ち帰ることが出来るでしょう。また、当日はBMX DVD『on the low』の上映、DVD出演ライダーによるショーケース、ゆかりあるDJ/アーティストによるパフォーマンス、ライブペインティングなど、見所満載です!

以上は前回の紹介記事からの再度の引用ですが、会場では物販あり、DJあり、BMXパフォーマンスあり、ライブペイントあり・・・と、日々横浜を中心にして行われている様々な活動が会場に濃縮され、熱気に包まれていました。


会場で流されていた、mm filmsのDVD『ON THE LOW』(2008年4月リリース)のトレーラー。横浜を舞台に撮影されています。


会場の奥の壁面を使って行われたライブペイント。15時頃の様子。

イベント終了前、20時頃のライブペイントの様子。

イベント終盤、タカラダミチノブのDJ。


これらの展示、物販、ライブなどが一堂に会するため、それぞれの展示等の方法も異なれば時間的なスパンも異なってきます。例えば、キムチを売る前でライブが行われ、その弾き語りの向こうでは数時間前から絵(ライブペイント)が黙々と描かれている・・・といったところでしょうか。それぞれの個性とそれらのミックス具合が印象的でした。

これらのインディペンデント的な個々の活動は、興味を持たないでいると普段はなかなか目にすることのないものでしょう。それが桜木町駅を降りてすぐの、しかも横浜市の関わる施設である「創造空間9001」で行われたことには、多くの人の目に付くというだけではなく、意外性を持って受け入れられたのではないでしょうか。

そうした、今回のイベントの開催に至る経緯や意図などに関する話は、今回の路地博'08に併せて参加団体の1つflickerによって発行された"POST-IT! vol.01"での主催者らによる座談会の中で語られています。その一部を紹介します。

「ある部分のヨコハマ」ってのは確実に紹介出来ると思うんだ。それがしかもイベンター的な寄せ集めの「ある部分」じゃなくてさ、それぞれの団体だったりお店、 DJなりが人間的に顔を合わせてつながってるっていう範囲の「ある部分」をさ。そういうのを知ってもらえたり、見て感じてもらえたり、活用してもらえたり、今後参加、交じっていくきっかけになれたらいいよね。("POST-IT!" ヨコハマ路地博'08開催記念号 vol.01より)


また、会場で配られた当日用のフライヤーには、今回のイベントに関係したお店や活動の場,横浜のBMXスポットなどが記された『ハマ路地MAP 08』が掲載されています。個々の活動が地図上で並列に可視化された様子は、上述の"POST-IT!"で語られているように、活動への参加や交流を促す仕掛けとしても捉えられるように思われます。(※試しにその地図を以下のGoogleマップ上に移してみました)



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参考
ヨコハマ路地博'08 公式サイト


[ posted by ida-10 ]

【レポート】 Renovation Project vol.3

2008年5月11日、まさに今リノベーションの進むBankART Studio NYKにおいて、BankART school 2007年度 「ラジカルできちんとした建築構造と防災」連動企画"Renovation Project vol.3"が開催されました。


前半は、改修にあたり考慮された法規・構造等の観点から、曽我部昌史ら改修に携わるそれぞれの担当者によるレクチャー。その後、現場の見学会を挟み、質疑応答が行われました。

前半の内容の要旨は次のとおり。歴史を重ねてきた建築のリノベーションを行うことの難しさと、それをどのように乗り越えてきたかということについての、専門的な見地からのレクチャーです。
  • 法規(曽我部昌史)
改修の概要
・階段を新設(二方向避難)
・エレベーターを新設
・非常用進入口を設ける(3階建であることから必要)
・排煙設備を3階に新設
1953年に建てられたこの建築は、今日までの法令の改正により現在の法規(現行法)に対応しない既存不適格にあたる。このため、現行法に適合するための法規への対応が計画の大半を占めたという。例えば、階段の新設については建物と一体にならないよう独立したものとして計画する、エレベーターシャフトの設置についても壁に穴をあけてはならないため、既存の壁面の開口部を利用するといったもの。
  • 構造(金箱温春)
BankART Studio NYKの建築構造の概要が示され、先の法規対応に関する構造上の補足が加えられた。
この建築の構造上の特徴として、まずフラットスラブ構造であることが挙げられ、地震力は全て壁で負担されること(つまり壁の量が必要となる)、倉庫であり積載荷重が大きいことなどが説明された。改修では耐震性を低下させる改修は行えないことから、壁の開口はとれないという。
  • 防火(長谷見雄二)
BankART Studio NYKは今後、横浜トリエンナーレの会場として使用されることなどから、改修にあたり火事などの災害時に安全に避難できることが求められる。避難については仕様を満たす設計を行えばよいが、1953年竣工のこの建築では法令に適合することが難しい。そこで、煙などが人の身長(1.8m)に降下するまでに避難できることを検証する、近年導入された検証法を用いて対応することとなった。元々倉庫であったこの建築は煙が天井から降下するまでに時間がかかるため、避難には有効である。

レクチャー・シンポジウムの中で会場からの視線を一身に集めていたのが、関西大学で建築の保存改修の研究を進める西澤英和 准教授でしょう。「既存不適格は「宝」として考えるべき」「財だから、使ってなんぼ。ちゃんと資産運用として考えんと」「建築を学ぶ学生は、文化と歴史のことをちゃんとやらんと」――これらの発言はほんのごく一部ですが、その中で今日のリノベーション・文化財礼賛に対する注意を促し、文化や未来も含めた歴史といった広い視野の中で歴史的建造物を捉えることの重要性が説かれました。


・写真レポートはこちら
・BankART Studio NYK内のパブはBankART Pub は BankART1929 Yokohamaに移転営業しています。[http://bankart1929.seesaa.net/article/96194489.html]

・改修工事以降の関連スケジュールは次のとおりです。
□□今後のNYK関連スケジュール□□
改修工事 → 2008年4 - 7月中旬
横トリ内装工事+搬入 → 2008年7月21日 - 9月12日
横浜トリエンナーレ2008 → 2008年9月13日 - 11月30日
作品搬出+内装撤去復旧工事 → 2008年12月1日 - 12月末
NYK再活動(1 - 3F/約3,000平米) → 2008年12月末 -
[http://www.bankart1929.com/whatsnew/index.htmlより]

<2008.8.04>
・関連記事:
【写真レポート】 BankART Studio NYK 一部改装完了
2008年7月25日、改修工事が一部完了し、カフェ併設ギャラリー"BankART Mini"が1階にオープンしました。
・関連情報
・BankART Studio NYK (建築紹介)
Renovation Project vol.3 (リリース・告知)



[ posted by ida-10 ]